ある夜のひととき
ある夜のひととき


勇真「とーしきくん!見張りお疲れ様!」
俊樹「なんだこんな夜中に。お前も眠れねえのか?」
勇真「うん…あれ?“お前も”って事は…他にも…」
俊樹「ほら、そっち見てみろ」

ひかり「へへへっ…」
「どうも…」
勇真「みんな考える事は一緒だね」
俊樹「ったく、みんなで起きてんなら見張り交代制の意味がねえじゃねえか」
勇真「まあまあ。でも特に泉ちゃんは次が見張り番だよね。今起きてたら後がつらくない?」
「大丈夫です。不思議と全然眠くなくて」
ひかり「まあたまには、みんなで見張りも良いんじゃない?」
「そうですよ。それにせっかく今日は星が綺麗に見えるんですから」
勇真「星?」

☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆

勇真「わあー!ほんとだー!…あ、それでみんな寝転がってるの?」

俊樹 「ああ。ほら、お前も早くこっち来いよ。寝転がって見るのが一番よく見えるぞ」
勇真「うん!」

………。

勇真「うわあ!凄いね!星がたっくさん!こうやって寝転がって見てるとさ、視界が空でいっぱいで……全部僕たちの貸し切りみたいだね!」
ひかり「貸し切りか…面白いな!」
「あ、流れ星!」
ひかり「嘘、どこどこ!」
「あれです!…あ、消えちゃいました…」
勇真「何かお願いした?」
「無理ですよ。すぐ消えちゃったので」
ひかり「また出たら絶対教えてよ!」
俊樹「無茶言うな。んなしょっちゅう出るもんじゃねえだろ」
勇真「あ!」
ひかり「なに?流れ星?」
勇真「うん!あれ!」
俊樹「ああ、あれか」
「ほんとですね」
ひかり「ええ!ちょっと!見つからないんだけど!ずるいよー!みんな見られてあたしだけ見つからないなんて!」

勇真「無事にみんなと航海を終えられますように!無事にみんなと航海を終えらりぇますように!無事にみんなと航海を終えりゃれますように!…なんとか言えたー!」
俊樹「今2回目と3回目若干噛んだだろ?」
勇真「そ、そんな事無いよ!大丈夫!」
「ふふっ。勇真さんらしいお願い事ですね」

ひかり「ちょっとー!みんなー!話聞いてる?流れ星どれなのー?どれーーー!次こそ絶対見てやるー!流れ星、来い!!」


流れ星「勇真くん、その願い、必ず叶えてさしあげますよ」

勇真「ん?…今、何か聞こえたような…」
「どうかなさいました?」
勇真「う、ううん!なんでもない!またさ、みんなで星、見ようね」
みんな「おぉー!」

こうして、とある高校生海賊4人の夜はふけてゆくのであった。